東海林さだお / ガン入院オロオロ日記
- 作者: 東海林さだお
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2017/03/13
- メディア: 単行本
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東海林さだお / ガン入院オロオロ日記 のレビューです。
1.作品を選んだ理由
妻が買ってきた。「ショージの本を買ってきたよ」というから芸人の品川庄司かと思ったら、東海林さだおだった。東海林さだおって、あの『アサッテ君』の東海林さだおやな?4コマ漫画しか知らなかったよ…。
2.内容
2017年に文藝春秋社からリリース。筆者がガンで入院した時の体験エッセイを表題とする、エッセイ集(対談、鼎談形式の章もアリ)。
病気そのものはあまり主眼でなくて、入院生活の「異界」ブリを軽妙な文体で、そこらへんのおっさんが病院帰りに話すような感じで書かれている。患者の命を握るガラガラ(イルリガートルスタンド…この本で初めて聞いたけど、今書くときにはもう忘れていたので調べた)、自分に何の根拠も選択肢もない食事のむなしさ(でもそれって学校給食とかも一緒かもね)、排せつを含めた全ての行動が病院管理下でお任せ状態になるある種の幼児退行状態…私は入院したことないからわからないけど、いろいろと出てくるもんだね。病院内のしょぼくれたおっさんが、電話で部下らしき人に叱責するのを見かけるシーン。きっと会社では重厚なスーツに身を包み要職に就いているのだろうが、ひとたび電話が終われば、ヨレヨレの病院服をしょぼくれたおっさんにたちどころに戻るという場面はなんだか諸行無常感がある。
ちなみにタイトルの内容は前半1/3程度。後は雑多なエッセイです。鼎談・対談パートは、もともとは雑誌の文藝春秋かなんかに載ってたのかしら?『ねにもつタイプ』の岸本佐和子さんと、オリンピックがいかに嫌いでやめるべきかといった対談内容は…彼ら個人の感想なので文句はないが、テーマとしてあまり気持ちいいものではないね。批判的であること自体は別にいいんだけど、多分表現が気に食わない。対談形式がそもそも好みに合わないというで点もあるかも。でも、開会式と競技は全部やめて閉会式だけやろうとかいう提案だけはちょっと笑った。
3.感想/評価(★の5段階)
★★---
何もない時に読む本。
4.どのような人に推奨するか
特におすすめとかはしないけど、あまり何も考えずにぼーっと活字を読むことができるぞ。