めたすらいむの舟

メタル/書評を通じて、ものを書く練習を行っています。原則平日朝更新予定。なお、推理\ミステリ小説のネタバレは書きません。

Rush / Fly By Night

Fly By Night

Fly By Night

カナダのロックバンド RushのFly By Nightをレビュー。

1.作品を選んだ理由

 全作やっていくぞー。ここから4thまでは、所謂"第1期"。

2.内容

 1975年リリースの2nd。基本的に"Counterparts"あたりまでの作品は、すべてMercuryからのデジタルリマスター盤で持っています。

 オーディションによりNeil Peartが加入し、3人が揃ったぞ!というアルバム。基本的な路線は前作を踏襲したロックンロールでありつつ、#1"Anthem"で既にタイト且つ手数の多いドラムが炸裂しており、これにはワイもニッコリ。楽曲もまだまだ3分~4分でシンプルな構成のものが多く、プログレ度はさほどでもない。むしろポップさが増したといってもいい。#5 ”Fly By Night”は歌詞も含め前向きでなんだか優しい楽曲で好きです。”#2, #6あたりは歌詞も含め1stの延長といった印象がややあるが、他はNeilが歌詞を担当するようになったことで全然感触が変わっている。"By-tor and the snow dog"では、急にHades(冥界)とかStyx(三途の川)とか言い出したぞ的な。まあ、この着想は2匹の犬の喧嘩であり、それをもとにファンタジーに発展させたということらしいのだが、70年代Neilの歌詞はファンタジー・歴史が多いイメージがあるね。中間のインタールードの不思議なギターメロディ・ドラムフィル・1音ずつ音を減らしていくブレイクと、次作以降の楽曲につながる雰囲気を感じさせる。

 変則拍子、組曲、歌詞の進化と、Rushのベースラインが一気に整った感がある作品となっております。

3.感想/評価(★の5段階)

 ★★★★-
 やっぱドラムがイイね。アルバム全体で見ると、弱いというか、あんまり聞かない曲もある。でも、個人的には第1期はこれと"2112"が好み。

4.どのような人に推奨するか

 まだまだハードロックなので、複雑さ・プログレさを求める人はもう少し後の作品から入ってどうぞ。これも、Rushの中では、最初に買う作品でなくていいかな。でも優先順位は高いと思います。