めたすらいむの舟

メタル/書評を通じて、ものを書く練習を行っています。原則平日朝更新予定。なお、推理\ミステリ小説のネタバレは書きません。

Rush / (self-titled)

Rush

Rush

カナダのロックバンド Rushのデビュー作をレビュー。

1.作品を選んだ理由

 Dream Theaterから遡って知ったこのバンドは心の故郷みたいなところがある。

2.内容

 1974年リリースの1stで、手持ちのはMercuryからCD再発でDigital Remasteredって書いてあるヤツ。

 北米を中心に人気を博し、特にそのテクニカルスキルとライブ力からミュージシャンからの評価が高いRushであるが、まー日本では人気のないことないこと。まぁ理由は分からなくもないんだけど。同時期デビューのQueenみたいに所謂「顔がカッコイイ」バンドではないし、曲が特にラジオ向きでポップというわけでもなく、ボーカルも甲高く耳優しい声とは言いづらい等、理由はいくつか思い浮かぶ。でも、スゴイバンドなんだよ。

 この1stは、「前夜」といったところ。なぜならGeddy Lee<Vo, Ba>とAlex Lifesonの両輪は揃っているが、Neil Peart加入前であり、ドラムは彼らの友人であったというJohn Rutseyが担当しているため。Geddy/Alex/Neilの3人がRushだから仕方ないね。

 楽曲はもうアレです、ブルージーさを含んだ快活なロックンロールと言ってよいでしょう。初期Led Zeppelinのようなと形容されるのも判りみがある。"What You're Doing"とか、ちょっと"Heartbreaker"みたいじゃないですか?そんな中で高音のハイトーンシャウトをかましまくる若き日のGeddyのボーカルと、ブリブリと主張するベースは既に際立ったものがある。The WhoJohn EntwistleやYesのChris Squireが好きだったというGeddyのベース音は、よく動きアタック音が強い、真似したくなるようなサウンドで、既に後年の雰囲気がある。ギターもシンプルながら厚いコード感やウォームなソロの感触はAlexっぽさがある。ドラムはすまん、普通。Neilの手数に比べると、落ち着いて聞こえるね。曲にプログレ感がまだ少ないというのもそう思う要素の一つかな。

 70年代のライブでは、”In The Mood”は良く演奏していたイメージがある。明るくてアンコールっぽいからかな?あとは、後年でもよくプレイされていた"Working Man"と30周年記念メドレーの先頭に組み込まれた"Finding My Way"を抑えておきましょう。あと、Rushと言えば歌詞の面白さがよく取り沙汰されますが、ここでは「ヘイベイビー遊びにいこうよ」的な歌詞が多いので、こちらもあまり気にしなくてOK。

3.感想/評価(★の5段階)

 ★★★--
 ライブ盤で聞いた数曲以外は思い入れ度数は低いです。

4.どのような人に推奨するか

 Rushの名作を集めて、初期はどんなことやってたんだろう?と気になる人へ。Rushを聞こうと思って最初に買う作品ではないので注意。