ドナルドキーン / 日本人の質問
- 作者: ドナルド・キーン
- 出版社/メーカー: 朝日新聞出版
- 発売日: 2018/02/07
- メディア: 文庫
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ドナルドキーン / 日本人の質問 のレビューです。
1.作品を選んだ理由
妻が買ってきた。氏のエッセイは『碧い眼の太郎冠者』を読んでいたので、2作目。
2.内容
元は1983年の作品で、2018年に35年(!)の時を経て朝日文庫より出版された。当時著者が朝日新聞の論客として書いた原稿や講演会の内容を納めたもの。再度の紹介だが、ドナルド・キーン氏は日本文学研究の第一人者。長いこと日本語・日本文学を研究しており、当然ながらそこらの一般人ではその知識や語彙力には及びもつかない。
…のだが、キーン自身が外国人であるということから、「刺身は食べられるか」「日本語は難しいか(理解できるか)」「俳句は理解できるか」などを聞かれてしまうという。そういった質問・やりとりから見えてくる日本人の国民性だったり文化だったりをエッセイ形式で語る。自分も言ってしまいそうな気がするが、そもそも俳句とか自分も理解できていないんだよなぁ。
外国(敢えて"外国"といっておく)文化・文学と比較した日本文化・文学の特質性に言及する章は、まさしくキーン氏の本領。比較によって浮かび上がってくるその特徴に、非常に納得できる。後は、谷崎潤一郎の『源氏物語』を読んでみたくなった。
なお、収録元がバラバラ(講演or原稿、日本語or英語)であり文体や各章の長さは全く非均一。1つの作品というよりは、あくまでオムニバスとして読むもの。
3.感想/評価(★の5段階)
★★★★-
1つの作品として見ると寄せ集め感があるのだが、単純に1つ1つの論を見ていけば非常な名著。
4.どのような人に推奨するか
グローバル化が進んで久しい今、特に「日本人の質問」「日米の相互理解はどこまで進んでいるか」「外から見た日本文化」あたりは、すべての日本人が読んで良い内容。読みましょう。600円なので安いよ。