めたすらいむの舟

メタル/書評を通じて、ものを書く練習を行っています。原則平日朝更新予定。なお、推理\ミステリ小説のネタバレは書きません。

Decrepit Birth / ... And Time Begins

& Time Begins

& Time Begins

アメリカのテクニカルデスメタルバンド Decrepit Birth の ... And Time Beginsをレビュー。

1.作品を選んだ理由

 いつ買ったかは忘れたけど、どこかのレビューサイトで好意的な評価を受けていたので買ったんじゃなかったかな。

2.内容

 2003年にUnique Leader Recordsからリリースの1stフル。当該レーベルからのリリースも頷ける、SuffocationあるいはDeeds of Fleshタイプの無調/無慈悲なブルータルデスメタル。低音でズンズンとリズミックなリフを刻むギターと、バキバキとテクニカルなベース、そして通常のビートは全く刻まず作中延々とブラストorツーバス踏み鳴らしを続けるドラムで構成された、「いかにも」なサウンド。ボーカルは汚らしさよりカッコよさのある低音ガテラルで、ワンパターンだがとても良い。全体的にカッチリと硬質なサウンドで、演奏もタイトでハイクオリティ。ドラムはMorbid AngelやHate Eternalへの参加経験もあるTim Yeungだった!
 フレーズやリズムはかなりテクニカルで、細かいフレーズやキメ・リズムチェンジが、2~3分の楽曲の中に大量に詰め込まれている。ラストを飾るアルバムタイトル曲の#9 ”...And Time Begins"は9分と見せかけて実際の曲は4分弱で終わるので、残り5分はSE。基本的にどの曲も高速でテンション高いのと、ランニングタイムが実質25分ほどなので、飽きずに一気に聞ける。

3.感想/評価(★の5段階)

 ★★★★★
 個性的かと言われるとそうではないと思うけど、ハイクオリティなので良し。

4.どのような人に推奨するか

 オリジナルであることにこだわらず真っ当で高品質なブルータルデスメタルを聞きたい人ならば、是非手に取ってもらいたい。先に挙げたSuffocationやDeeds of Fleshのようなバンドのファンであれば気に入ってもらえると思う。ちなみに、2nd以降は音楽性がやや変わるので、真正ブルデスファンはこの作品だけで留めておいても良い。