めたすらいむの舟

メタル/書評を通じて、ものを書く練習を行っています。原則平日朝更新予定。なお、推理\ミステリ小説のネタバレは書きません。

友清裕昭 / プルトニウム 超ウラン元素の正体

友清裕昭 / プルトニウム 超ウラン元素の正体のレビューです。

1.作品を選んだ理由

 ブルーバックスいいよね。これはタイトル買い。元素的に知りたかった。

2.内容

 1995年、講談社ブルーバックスから。著者は大学で原子力工学科にいたが、その後は朝日新聞に勤めるなどしているため、研究者というわけではない。

 プルトニウムとはどのような研究のもとに発見されたどういう物質であるか・どのように原子炉に利用されるか・核兵器としてどのように利用されるか・発見から現代(1943年頃~執筆当時の1995年)までにおける原子力を取り巻く日本の情勢・そして世界の情勢について、と大きくは5章に渡って展開される。
 特に第1章は繰り返し読みたい。核分裂の起こし方や研究課程、アルファ線ベータ線ガンマ線の違い、放射能放射線半減期といった基本的な知識を平易に解説するのがよい。
 政治的な訴えなどはなく、全体的に事実と歴史を客観的に述べるよう努めていると思われ、好感度が高い。

3.感想/評価(★の5段階)

 ★★★★★
 良本。何度か読み返して勉強したい。内容は1995年時点なので、最新の情勢も調べてみたい。

4.どのような人に推奨するか

 原子力発電やその問題点は度々ニュース等でも争点になるが、原子力が何であり・何に問題があるのか正しく理解できている人は少ないのでは。この本などを読み、内容を理解したうえで自分の意見を持ちたいものだ。