めたすらいむの舟

メタル/書評を通じて、ものを書く練習を行っています。原則平日朝更新予定。なお、推理\ミステリ小説のネタバレは書きません。

体験記:『東大流! 本気の自由研究で新発見 QuizKnock Lab』刊行記念 須貝駿貴さん&QuizKnockメンバーによるトーク+握手会(紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYA)

体験記シリーズ。表題イベントに行きました。

1.鑑賞のきっかけ

 最初チケット即売り切れって聞いてたから行く気なかったんだけど、当日昼頃になんとなくwebを見たら普通に残席ありだったので、急遽参陣することにした。かなーり長文だけど、ちゃんとしたレポだよ。

2.内容

 新宿高島屋の南館7Fにある紀伊國屋サザンシアターというところ。第二部(18:00~)での参加で、行ってみると早速看板には「満員御礼」との表記。入り口ではチケットと引き換えに書籍(サイン等などの特別仕様はない普通の本)と"QuizKnockLab"の円形シールを受領。チケット3,800円で、書籍が1,500円くらいなので、イベント代は2,000円くらい。会場入り口にはファンから彼ら宛の花輪があった…ファンからってところがスゴイ。
 会場内は当然の如く95%が女子。メンズいないなぁ。心なしかおめかししている女子が多かったような気もしたけど、推しに会えるイベントから欣喜雀躍も致し方ありませんな。さて、ここからは内容のレポ。

①プレゼンパート

 伊沢氏・山本氏・ふくら氏・須貝氏の4人が元気に御登壇。開幕伊沢氏、正体不明の棒(のちに金属パイプと判明)で↓こんな感じの『西遊記スタイル』を披露する。この西遊記は、峰倉かずや先生の、あの西遊記でいいんでしょうか?
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 あと、流れは忘れたけど、斎藤一から『盲剣の宇水』さんを出してくる伊沢氏のカバー力はすげぇな。第二部(2回目)というだけあって、最初から笑いに満ちた楽しい雰囲気でイベントはスタート。

 最初のテーマは「制作秘話:誰に向けてこの本を書いたのか?」。須貝氏の答えは「人類」。ALL HUMAN BEINGS=すべての人、ということであった。文系とか理系とか関係なく誰でも読める本を目指しているということであり、換言すれば誰もが科学者である、ということに期待した書籍。なお、全ページ美麗な写真の入ったフルカラーなので、人類だけでなく色覚のある鳥類さんにもおススメ。
 各記事の並び方は教科書的ではなく意図をつかみづらいかもしれないが、著者である須貝氏が「こう読みたい」と思う順に並べているという。その意図を感じて欲しい…つまり、内容や構成を通じて著者:須貝駿貴を感じて欲しい、と。これはもう考えるとかじゃなく、感じて欲しい、ということであった承久の乱かな?)

 次のテーマは、「科学者に向いているのはどんな人か?」。これは以下3つの設問から構成されていて、これに回答すれば自分が科学者に適性があるかどうかわかるという。

1.小説やファンタジー(fantasy)が好きである
2.大勢でいるより一人が好きである
3.自分はナイスガイだと思う

 …そうですね。さて、果たして科学者に向いている人とは、1,3がYESで2がNOの人を指す。
 1はもちろん、科学的な出来事や須貝(と書いて「ストーリー」と読みます)に興味を持って楽しめる人であるということ。まぁ、偶然にもQuizKnockさんの動画もファンタジーみたいなところがありますからね…。
 2はなぜNoであるかというと、研究してわかったことをシェア(共有)してハッピー(幸せ)になることが重要であるため。そうすることで、独力では辿り着けない世界にたどり着けるのである。先の記載でもあるが、みんな同じ船の旅人であり、誰もが科学者であるということ。そして、一人でいる方が好きという伊沢氏と須貝氏は適正ない説があったが、「別になっちゃいけないわけじゃない」のである。
 3はそのままギャグ…なのだが、自身の学説や研究を進める上で、根拠のない自信はあったほうがいい。この3つ目は意外と重要だと思うぞ。研究には根気と自信が必要。

 ということで、3つ当てはまる人は、今すぐ大学院の博士課程に進みましょう。「今すぐのスパンがなげぇよ!」

②実験パート

 実験は2つ。1つは「香りが温度を下げるのか?」。ミントを塗るとスッとするという体感効果を実験するもの。この仕組みに近い内容について、直近で記事が出ているので見るといいよ。
 汗をおさえる制汗剤、なぜ冷たい?【素朴な疑問】
 実験過程は言ってみればファンサービスの一種。段ボール空気砲とミントスプレーで香りをばらまくために会場中を奔走する4名。途中から大砲を使わず直接スプレーをばらまく山本氏に笑いが起こる。ミントの香りが仄かに鼻腔を擽る。涼しくなったかどうかは会場アンケートの結果、半々くらい。
 実験結果そのものはあまり重要ではなくて、ポイントは研究における課題設定と伝え方。「ミントの香りで4度下がる」という表現は嘘は言っていないが、何が4度下がったのか、何度から何度に下がったのかを正確に伝えておらず、ディスコミュニケーションが発生している状態。ステップを踏んで確認していく必要があり、1,000℃⇒996℃と-269℃⇒-273℃(絶対零度)では全然違うのだ、というお話し。

 もう1つは、動画でもおなじみのアレ。ネオジム磁石をパイプに通したとき、金属の場合は磁石とコイルで力場が出来るので落下速度が減衰するやつ。冒頭に登場した金属パイプはこの伏線だった。ネオジム磁石が金属にくっつくハプニング、パワーが足りずはがせないふくら氏と山本氏…。なお、この実験はお説教は何もなく「見せたかっただけ」のやつでした。

③質問パート

 まぁ優秀な質問が多かったね。記憶の限り記載すると以下の通り。

  • Q1.各人が好きな法則はあるか?
    A1(ふくら).フレミングの左手の法則。力の方向性は逆(=右手の法則)でもいいはずなのに、この方向であることに神の作為を感じるから。(⇒これ聞いて、地球の自転の向きが逆だったら法則の向きも逆になりそうだなぁと思った)
    A1(伊沢).バナッハ=タルスキーの法則だなァ…これでヤシの実を2つにして無人島で生き延びンだよ…。

  • Q2.物理のノートでカラーペンを使いすぎてノート点を減点された。どのようなノートの取り方が望ましいと考えるか?
    A2(伊沢).減点されるというのは個人的に納得はできないが、先生のやり方もある。ただ、自分が覚えやすいことが一番なので、ペンの色は何色だって構わない。ノートは手段なので、結果自分が覚えて理解できていればいい。先生には『勉強大全』という本を勧めてみて欲しい。そして、重要なところはホワイトで潰し、「続きは買って読んでね!」と伝えてほしい。

  • Q3.来年から物理の授業が始まる。どんな取り組みをしたらいいか?
    A3(ふくら).物理は英語や数学と違って、あとから教科書だけで理解するのが難しい科目。力の向きや実験結果などを教科書の図のみでは感覚をつかみづらい為。先生の板書を通じて「動画として」頭に残すことが凄く重要。

  • Q4.出来ないけどやってみたい実験はあるか?
    A4(山本).リチャードソンの夢。大人数で計算を行えば天気予報の演算が人力で行えるという思考実験。
    A4(ふくら).地球上の全人類が一斉に東に走ったらどうなるかってヤツ。まずブラジルの人を起こすところから始めないといけないね!

  • Q5.プレゼンテーションで気を付けていることはなにか?
    A5(須貝).学会発表では話したいことはいっぱいあるんだけど、10分しかないので敢えて削って焦点を絞ること。細かく突っ込んだ内容は個別の質疑応答で興味を持ってくれた人に伝えればいいので、まずは自分の主張したい要点に絞って他は削るくらいで。
    A5(ふくら).動画の編集でも同じように、わかりやすく要点を絞り削る(カットする)ということを心掛けている。

 他にもあったかな?こんなだったと思うが。自分は「なんで金属パイプにネオジム磁石くっつかないんや?」とか思ってたんだけど、全体的に「いーーィい質問だぁ~!」という感じだったね。

④握手会パート

 これは各人各人の思い出があるだろうから、特に言及しません。自分はアホなトークしかできませんでした。ということで握手会を以て、イベントは〆。お疲れ様でした。

 なお、会場出口には金属パイプ実験道具がお試しできたのでやってみた。なお、スマホ等の電子機器は近づけてはいけないのだ。HDDのデータ破壊手法として確立されているくらい、確実に電子機器を破壊するので。「これはフリじゃないよ!」

3.感想/評価(★の5段階)

 ★★★★★
 こんな感じ。みんな話が上手くて飽きることが無かった。

4.どのような人に推奨するか

 基本的に彼らのイベントはファンなら参加して損しないクオリティがあるので、行ける人は参加するといいよ。

 ご参考↓

Ex.ギャラリー

満員御礼

書籍とシール

花輪