めたすらいむの舟

メタル/書評を通じて、ものを書く練習を行っています。原則平日朝更新予定。なお、推理\ミステリ小説のネタバレは書きません。

吉越浩一郎 / 一流の上司、二流の上司

吉越浩一郎 / 一流の上司、二流の上司 のレビューです。

1.作品を選んだ理由

 本屋でタイトル買い。後輩も出来てきたし、何かしら仕事っぽい本を読もうと思ってみた。

2.内容

 2015年作。何も知らず手に取ったが、スイスに本社を置く女性用下着の会社トリンプ・インターナショナルで経験を積み、日本法人の社長やAMO'S STYLEの立ち上げを務めた方の書籍である。トリンプとTriumphが繋がらないんだよなー、トライアンフじゃないんかい。
 ここで語られている上司像は、管理者(マネージャ)という意味ではなく幅広い意味の上司なので、単純な先輩・後輩関係で当てはめてもいいでしょう。結論から言うと、結構自身の嗜好に合う本であった。参考にしようと思った(あるいはすでに実行していたこと)を見出しから挙げてみる。

  • 部下を育てるのは上司ではなく仕事そのもの。「最後は結局、自分でやる」はNG。
     自省もある。任せた仕事はちゃんと任せないといけないね。
  • 「締め切り(デッドライン)」を設けることは仕事力を高める。
     基本。締め切りがない仕事はないと思うが、その中でも細かく締め切りを区切ってやっている。
  • 健康が最も大事、体力を削って働くのは二流。
     まったくその通り。でもみんなあんまり帰らないね。
  • リスクは取らない。小さな判断とロジックを積み重ねてリスクを取り除く。
     必ずしもそううまくいかないときもあると思うが、そう思う。
  • 仕事はゲーム。だからこそこの仮想的な空間の中で知恵と戦略を絞って勝つべし。
     仕事は人生そのものではないのだ。私もそういう感覚でやっているが、参加する以上は力は注いでいるつもり。

 外資企業出身の方だからかしら、残業ゼロ・休暇・余暇と当然のものとして人生の充実をベースに置いてくれている。著者の他作品でも残業ゼロを謳うような著作が多いようで、共感できそうな予感がある。私は一平社員で上司というほどの立ち位置ではないが、部下の立場でも意識を持って働くのは必要だと思うし、よいと思う部分は実践していきたい。
 具体的な[How To本]ではない。ただ、How Toは手段なので、その手段が自身の環境にあっているかどうかは考えなければならない。この著作は考え方・習慣として汎化した内容になっているので、自身の環境に合わせて特化させることで活用できるものだと思う。

3.感想/評価(★の5段階)

 ★★★★★
 適当に手に取った割にはいい本だった。妻がここの下着よく買っているし、そこでも縁を感じた。

4.どのような人に推奨するか

 所謂会社員として働いている人であれば、新入社員~中堅以上問わず(自身が上司でなくても)、広く読んでみていいと思う。単純に仕事術として応用できる部分がある。文章も極めてシンプルで装飾がなく、さっくり読めるよ。