めたすらいむの舟

メタル/書評を通じて、ものを書く練習を行っています。原則平日朝更新予定。なお、推理\ミステリ小説のネタバレは書きません。

死んだ細胞の塊 / Saibogu

Saibogu

Saibogu

日本は東京のブルータルデスメタルバンド 死んだ細胞の塊よりSaiboguをレビュー。

1.作品を選んだ理由

 はるまげ堂をフォローしていると度々TLに登場するので気にはしていたんだけど、新宿ディスクユニオンにてディスプレイされていたのでついに購入。あとやっぱ1500円と安いのは、手に取りやすいです。

2.内容

 2019年リリースの1stフル。2015年にKani Saibo[Gt]を中心に結成された若いバンドです。Obliteration Recordsからのリリースで、プロデュースにもオーナーの関根氏が関わっている。ジャケットは一見グロいようで、深海生物みたいな連中がボーリングを楽しんでいる様子が描かれており、コミカルで可愛いらしい。バンドロゴは全く読めないが、界隈にはよくあることなのでOK。

 オールドスクール感強いブルータルデスメタル。低音中心で粘度の高いネバついたディストーションサウンドで紡がれるのは、ズンズンとした刻みリフだったり、蠢くようなトレモロリフだったり、ピッキングハーモニクスやテクニカルな速弾フレーズを入れたりと多彩。ギターソロはない!
 ドラムはかなり複雑で様々なリズム・展開を見せており、変拍子も多い。短い曲の中でも、曲のテンポがどんどん変わり、それに合わせてドラムもフレーズを切り替えていく。超速スピードというわけではないのだが、速いパートも遅いパートも全編ノリがよく、聞いていて気持ちいいテンポ感になっている。緩急のつけ方とリフがうまい。
 ボーカルは超低音の咆哮で、バッチリよい。

 比較するバンドってなんだろう?この時一緒にCannibal Corpseのアルバム(The Wretched Spawn)を買ったのだが、リフのつくりや楽曲の複雑さは近いものがあるように感じた。こちらの方がよりフレーズの幅が広くテクニカルかもしれないが、あくまで「ブルータルデスメタルの範囲の中で」というもので、所謂プログレデスっぽい方向性にはなっていない。品質も全然劣っておらず、曲作りも音も素晴らしい。22分というランニングタイムも、この密度と濃度であればちょうど良いかもね。

3.感想/評価(★の5段階)

 ★★★★★
 気に入った~。ライブも見に行きたい。

4.どのような人に推奨するか

 オールドスクール味のあるブルータルデスメタルが好きな人におススメ。一緒に応援しましょう。