体験記:アジアに目覚めたら(東京国立近代美術館)
体験記シリーズ。国立西洋近代美術館の2018年秋冬の企画展、『アジアにめざめたら:アートが変わる、世界が変わる 1960 -1990年代』に行きました。
1.鑑賞のきっかけ
企画展そのものは何も知らず、ただ美術館に行ってみようと思って行ってみただけ!行ったことない美術館だったので。
2.内容
企画展は東南アジア、タイ・フィリピン・インドネシアあたりの作品が多かった印象。この時期の東南アジアといえば、戦後の植民地支配からの独立期にあり、各国で所謂独立運動や革命が起きているが、その中で表現されたアートになっている。ここで展示されているのは絵画だけではなく、モノを使った実験的な表現作品や映像作品もいろいろと並んでいる。
個人的に覚えているのは、以下の作品群(写真不可だったので目録見ながら回想)。
- FXハルソノ『くつろいだ鎖』
ベッド・クッションに巻き付けられた鎖。それだけなんだが、タイトルも相まって可愛らしい雰囲気。 - キムグリム『現象から痕跡まで~火と芝生のイベント』
幾何学模様(三角形がこのように並んだ図:△△△△△)に芝生を燃やしていく、その過程を収めた映像作品。 - オノヨーコ『Cut Piece』
檀上のモデル(オノヨーコ自身)の衣服に観客がハサミで切れ込みを入れていくという観客が参加して初めて発生するアート(映像作品)。 - タン・ダウ『彼らは犀を密漁し、角を切ってこのドリンクを作った』
犀を模した?物体の周りを、犀のラベルが貼られた空き瓶が同心円状に無数に取り囲んでいる作品。
フロアも広く大小数多くの作品があったのでおなか一杯になってしまったが、その後常設展の方にも行ってみて、1枚すごくカッコいい絵を見つけてしまった。それが和田三造の『南風』。2018年に新たに国の重要文化財に指定されたらしい。
和田三造の油彩画《南風》が 新たに国の重要文化財に指定されることになりました。 | 東京国立近代美術館
明治後期、洋画の影響を受けた油絵作品で、テーマとしては船で難破した船員達を描いているらしいのだが、とにかく中央に立つ男のマッチョ感が大好き。これが一番気に入ってしまった。
3.感想/評価(★の5段階)
★★★★-
企画展の方はプログレッシブさが強かったり、時代背景の知識が乏しかったりすると、あまり理解できない部分もあったが、刺激を受けました。常設も含めボリュームたっぷりだったので、そろそろまた行こうかな。
4.どのような人に推奨するか
平日だからかもしれないけど、あまり人がいなかった。西洋画に比べて人気が低い気がする。見る側に解釈を求めるので鑑賞にエネルギーがいるが、その分面白いですよ。単に『なんだこりゃw』と思うだけでも別に良いと思うし。
Ex.ギャラリー
ポスター
和田三造『南風』。これは写真OKだった。
タイトルと躍動感で笑った。
休憩室からの眺望。休憩室も誰もいなかった。。。