草野真一 / メールはなぜ届くのか
- 作者: 草野真一
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2014/05/21
- メディア: 新書
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草野真一/ メールはなぜ届くのか のレビューです。
1.作品を選んだ理由
最近講談社ブルーバックスがお気に入りなのだが、自分が仕事でやっていることを新書で読んでみようという試み。内容が2014年と新しいのも良かった。
2.内容
というころで、2014年作。メールの仕組みというタイトルだが、つまりは通信と規約(プロトコル)に関する内容であり、OSI参照モデルでいうところのネットワーク層~トランスポート層をベースとした「データはどうやってコンピュータからコンピュータまで届くのか」に関する説明が結構多い。メールの技術そのものはレガシーであり、数ある通信の中でSMTPと規定されているものを使っているということなので、そういった視点での説明は正しい、というか多分そういう説明にならざるを得ない。
Webメールの発達がメールの利用を広げたというくだりの説明は、自身でも非常に実感を持って感じられた。メーラーは設定値としてSMTPアドレス・POPアドレス・ポート・ID・パスワードなどを一通り入手しなければ使えなかったものだが、もはやhttp(s)で完結してしまうのだから大分お手軽になっている。自分も以前はOutlook Expressだのをガンバッテ設定していたが、今ではメーラーなど導入しなくなって久しい。
筆者自身も書いているようにメールそのものは枯れた技術であり、コミュニケーションの手段としては別のものに置き換わりつつある(私も会社内ではメールを使うが、プライベートのコミュニケーションは原則LINEしか使ってない)。そんな中敢えてメールをテーマに本を書く意味とは?と考えたようなのだが、『メールがなぜ届くのか』というテーマは通りが良いこと・メールについて触れることはネットワークそのものについて触れることになることなどから、この本を書くに至ったという。
自身は技術面の話は大体知っていたので、技術の成り立ちや補足的なトリビアを楽しんでいたことになる。世界初のハイパーテキストによるWebサイトが欧州原子核研究機構CERNによって作られたものだとか、インターネット誕生の歴史とか、そういった部分が面白かった。
3.感想/評価(★の5段階)
★★★★-
挿絵も多く平易に書かれたわかりやすい本だと思う。もちろん「ある程度知識を持っている人間が読んだ」という前提での感想なので、あまり知らない人が読んでも同じ評価になるかどうかは疑問だけど、 まあ自分の評価なのでそういうのはいいか。
4.どのような人に推奨するか
テーマがテーマなので、メールの仕組みに興味がある人。個人的には、自分のチームに新入社員とかが入ってきたら、読んでみてほしいなぁという本。マジで推奨してみようかな。