めたすらいむの舟

メタル/書評を通じて、ものを書く練習を行っています。原則平日朝更新予定。なお、推理\ミステリ小説のネタバレは書きません。

Sargeist / Feeding The Crawling Shadows

Feeding the Crawling Shadows

Feeding the Crawling Shadows

フィンランドブラックメタルバンド SargeistのFeeding The Crawling Shadowsをレビュー。

1.作品を選んだ理由

 Yvonxheのレビュー書いてたら、メロディックなプリミティブブラックが聞きたくなったのでした。聞くの何年かぶり。大阪に住んでいた時に、黒屋(実店舗)で購入した記憶がある。つーか黒屋閉店してるんだ・・・

2.内容

 2014年4th、World Terror Comitteeからのリリース。Shatraug(Horna)のソロプロジェクトとして開始され、フィンランドブラックメタル人脈のBehexen, Satanic Warmasterあたりのメンバーが集っている。Sargeistというバンド名は、Sarg(独:棺)とGeist(独:精神)という2つのドイツ語を合成した言葉が由来だそうです。
 音楽性は先に挙げたメンバーから想定できるとおり、メロディの強いプリミティブブラックをやっております。コード感のあるトレモロフレーズで曲全体を包み支配するギター、何を叩いているか判然としない遠い音でスタスタしたブラストビートを続けるドラム、喚き系と威厳のある低音系のデスヴォイスをエコーがかった音で叩きつけるボーカルなどが主たる構成要素。音質はプリミティブブラックとしてみたときには標準的なプロダクションといえるレベルで、エコー感も相まって雪原で演奏しているような空間の広がりを感じさせる。
 同列で挙げたバンドと比較しても、ひと際メロディ要素が強いのが特徴。曲のパターンはどれも似たようなものだが、全編通してでマイナー調で「泣き」の入ったメロディアスリフを間断なく披露している。メロディの質と豊富さで押し切るプリミティブブラック。

3.感想/評価(★の5段階)

 ★★★★-
 泣きメロだらけ。#5 Return of the Ratsとか素晴らしい。

4.どのような人に推奨するか

 プリミティブブラックな音質に馴染んでいることが前提にはなるものの、とにかく良質な泣きメロが入っているので、メロディ派のエクストリームメタル好きに推奨します。