めたすらいむの舟

メタル/書評を通じて、ものを書く練習を行っています。原則平日朝更新予定。なお、推理\ミステリ小説のネタバレは書きません。

矢野健太郎 / 数学物語

 

数学物語 (角川ソフィア文庫)

数学物語 (角川ソフィア文庫)

 

 矢野健太郎 / 数学物語のレビューです。

 

1.作品を選んだ理由

 ブックオフで偶々見かけて、タイトルにひかれて購入。 

 

2.あらすじ(内容)

 1961年当時の本で、おそらく年少者向けに書かれた数学の歴史読本。ものを数えるという概念・手法から始まり、古代エジプト古代ローマでの数字や、ギリシア数学における各種定理の成立、1,500年代以降の近代数学史も一部語られる。どちらかというと歴史解説よりで、全体の8割は小学算数で説明できる内容。ニュートンオイラーも後半登場するが、オイラーの公式等は出てこず、一筆書きの問題(ケーニヒスベルクの橋)の紹介などで終わっているのは少し物足りない気もする。そして本はそのまま非常にあっさりと終ってしまう。 

 

3.感想/評価

 ★★★--

 優しく説くという意味ではこの上なく成功していると思う。数学を学ぶことに限らないが、「ある定理があって、なぜそうなるのか」を理解することは非常に大切だと思う。三角形の面積の求め方でもなんでも、公式を知っているだけではなく、なぜその公式が導かれるのか証明できる方が楽しいし応用が利くと思うのだ。

 

4.どのような人に推奨するか

 算数・数学にちょっと興味がある文系の人。数学ガチ勢は知っていることしかないのではないかと思うが、歴史部分の話には興味を持てるかも。小学児童にもいいんじゃないでしょうか。